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債務整理と保険

  • 文責:弁護士 寺井渉
  • 最終更新日:2022年3月11日

1 債務整理をすると、保険を解約しなければならない?

債務整理の相談を受けていると、保険を解約しないとダメなのか、聞かれることがあります。

車両保険はあまり問題とはならないのですが、生命保険などの場合は、問題となることがあります。

どのような場合に問題となるのか、以下、債務整理の方策ごとに検討していきます。

2 任意整理と保険

任意整理の場合は、特段、保険が問題となることはありません。

任意整理は、法的な手段でもありませんので、裁判所に書類を提出するようなこともありません。

ただし、保険の掛け金が高すぎて、返済を圧迫しているようなら、保険の見直しが必要となる場合はあります。

3 自己破産と保険

⑴ 問題となる保険

一口に保険といっても、いろいろな保険があります。

掛け捨て型もあれば、解約返戻金の生じる積立型もあります。

掛け捨ての場合、保険の契約数が多くて家計を圧迫している場合には、家計の見直しという意味で問題となりえますが、特段、解約等の必要があるなどの問題は生じません。

これに対し、積立型の場合、財産制を有することになりますので、破産手続きにおいて問題が出てきます。

⑵ 何が問題なのか

簡単に言うと、解約返戻金がいくらになるのか、これが問題となります。

解約返戻金の金額によって、手続きに影響を及ぼすためです。

⑶ 同時廃止or管財

破産手続きには、同時廃止というものと、管財(少額管財含む)という2つの手続きがあり、手続きの流れや予納金額が異なることとなります。

どちらの手続きによるかは、裁判所によって一定の基準があります。

様々な基準がありますが、そのうちの1つに、一定金額以上の財産がある場合には管財とすることとされています。

例えば、津地方裁判所では、生命保険などの保険における解約返戻金が20万円以上の場合、管財事件になるとされています。

⑷ 解約の必要性の有無

管財事件となった場合、基本的には財産は破産財団に組入れられることとなります。

そのため、解約返戻金が生じる保険なども、解約し、返戻金額を財団組入れすることになるのが原則です。

ただし、自由財産というのが認められているため、自由財産の枠内であり、かつ、拡張が認められた場合には、保険解約をしなくて良い場合もあります。

4 個人再生と保険

⑴ 個人再生における返済予定額

個人再生(小規模個人再生)の場合、債務を減額し、払っていく手続きになるのですが、その際、いくら支払うのか、その基準があります。

原則として、①100万、②債務額の1/5、③清算価値、このいずれか一番高い額が弁済額となります。

例えば、借入額600万、解約返戻金を含む清算価値が150万円の場合、150万円が弁済額となります。また、借入額が800万円、解約返戻金を含む清算価値が150万円の場合、160万円が弁済額となります。

このように、解約返戻金額により、弁済額が変わってきます。

⑵ 解約の必要性の有無

個人再生の場合、清算価値分を支払うこととなりますので、保険を解約する必要はありません。

保険契約を継続したまま、債務整理を行うことができることになります。

5 まずはご相談を

保険については、上記のように、いずれの債務整理の手続きを選択するかにより、保険の扱いなどが変わってきます。

自己判断せず、まずは専門家等にご相談ください。

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